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ほっと一息 ♪ Cappuccio イタリア・フィレンツェ伝統工芸

イタリアと日本を行き来。革と紙を使ったフィレンツェの伝統工芸である製本・装丁に魅せられ☆日々、修業と制作に打ち込むMisuzuのブログ
by bella_serenita
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作品 -Numero 3- マエストロのオリジナル☆デザイン

早くも、マエストロに弟子入りしてから3つ目の制作品です。

今回制作の『本』は、私のマエストロ(お師匠様)の
オリジナルデザイン
となります。

『製本』は、フィレンツェの伝統工芸。
ですから、フィレンツェ中に多数の工房が
ひしめき合っています。

その中にあって、
マエストロであるエンリコ・ジャンニーニ(Enrico Giannini)氏は、
様々なオリジナルデザインの作品を産出し、
その多くのデザインを
多くの他の工房が
見習い、制作することもあるのです。

⇊ まるで孔雀の羽根のようなデザインのマーブル紙。エンリコの手によるもの。
とっても繊細な柄ですよね。同系色のグラデーションがシックです。
作品 -Numero 3- マエストロのオリジナル☆デザイン_b0193401_1658155.jpg

私も早くこの様に職人技が輝る、マーブル紙を作れるようになりたいなぁ...。
マーブル紙については、また別の機会にご紹介する予定です。

⇊ これまでの2つの作品との相違点
閉じ紐が付いている。
作品 -Numero 3- マエストロのオリジナル☆デザイン_b0193401_16582825.jpg

鍵ではないので、秘密の日記帳(!!??)に使用...
という訳には行かないのですが。。。

革紐を使用していますが、
素材を変えることにより、見た目の印象もガラリと変わります。
作品 -Numero 3- マエストロのオリジナル☆デザイン_b0193401_16583837.jpg

この革紐もちゃんと私が細く切り出しています。


今回のような製本のデザインを
私のマエストロのエンリコが
考えた目的は...

コストを下げつつも、
伝統工芸技術も用いて、
良いデザインの物を制作するため。

では、どこでコストを下げているのか?
その1: 今回は、角に補強用(デザイン性もあり)の革を貼り付けていない。
その2: 更に、背表紙の飾りを付けていない。
作品 -Numero 3- マエストロのオリジナル☆デザイン_b0193401_16584899.jpg


このタイプの背表紙に使用する革は、薄くする必要性が無いため
革を削ぐ作業が不要となるのです。

この革を削ぐ作業は、
マエストロからの際に
「まだ、教えるには早い!」
と言われた、例の難しい作業です。

今回は、厚い革の使用のため、
背表紙の骨と言いますか芯となる紙を入れないのです。
その分、かなりの厚手の革を使用しています。

手仕事/ハンドメイド(fatto a mano)物は、やはりパーツが多くなると
その分手間も時間もかかるのです。

この革の色(濃い青)、とても綺麗でしょう-☆
日本では、なかなか見かけないような気がします。

もし、ご存知の方や見かけたことのある方がいらっしゃいましたら、
教えて下さい(ペコリ)。

実は今回は、ちょっと失敗談があります。
背表紙と中のノート部分の紙をくっつける時点で
スペースの取りが足りず、
本を開くと
キツイのです。

この事を糧に、
次回以降は、同じ失敗をしないように
成長し続けます!!(失敗はやはり成功のもと)
# by bella_serenita | 2010-08-09 18:02 | 作品

作品 -Numero 2- 私のお気に入りの一品

前回のブログで紹介しました、初めての製本作りの直後の作品をご紹介します。

今回は、
前回と同様にスタンダードな形のものに
マイナーチェンジ
してみました。

⇊ この色の組み合わせもナカナカのものではないでしょうか(お気に入り☆)。
ちょっと男っぽいカンジですが、女性が使ってもイイですよね~。
作品 -Numero 2- 私のお気に入りの一品_b0193401_1543443.jpg

前回の
と比べてみると、
補強のための角の革貼りをしていないのです。

理由は、
第1号のものより、サイズを小さくしたため。
角に革を貼るとデザイン的に重く見えてしまうのです。

⇊ この背表紙、やっぱり好きっ。
作品 -Numero 2- 私のお気に入りの一品_b0193401_15455148.jpg

マーブル紙もいかにもマーブル(大理石)模様でしょう?!!

⇊ 今回も中身は、白紙タイプのものでございます。
作品 -Numero 2- 私のお気に入りの一品_b0193401_15444969.jpg


⇊ はいっ、皆様。ここで、赤い矢印部分に注目!
作品 -Numero 2- 私のお気に入りの一品_b0193401_15572036.jpg

この中の紙と外装の革の部分を繋いでいる部分。
ヨーロッパのアンティーク本などに使われている技法です。

糸でちくちくと縫いこんだり、
革を貼ったり
と、技法は様々とありますが

今回は、革貼りにしています。

この作業、とっても難しいのです。

実際、私のマエストロも
「最近はあまりやらないなぁ~。」
とのこと。

フィレンツェの職人さんで得意な人、結構少ないようです。

ちょっと、ここで自慢しちゃいます!! (へへっ)
実は私、細やかな作業がと~っても得意で大好きな性分なのです。

ですからこの作業を終えて、
マエストロ・チェックして頂いたところ

とっても、誉めて頂きました♪
マエストロのお墨付きでございます。
# by bella_serenita | 2010-08-03 16:32 | 作品

初めて制作 -Numero 1-

今回は、私が魅せられて修業し始めたイタリア・フィレンツェの伝統工芸の一つである『製本』の第1号の作品をご紹介します。

なぜ、この伝統工芸に興味が湧いたのか?
どこの工房で修業し始めたのか?
この話は、また別の機会に...

さて、修業のために弟子入りした工房での初の作品
といいますか、マエストロ(お師匠さん)のエンリコに教えてもらいつつも制作。

製本という意味では最もスタンダードな形のもの。
マーブル紙と有名なフィレンツェのなめし革の組み合わせ。

初めて作ってみて、

『とにかく大変...。』の一言に。
そりゃあ、もちろん何から何まで初めてですからっ!

1つの製本を完成させるには、様々な工程があります。

1) 紙を裁断する。
2) 本を縫う。
3) 革を削ぐ。
4) 加工する。
その他、諸々...

この工程の中で、
(3)番目の革を削ぐ作業は、
この時の制作で教えてもらえませんでした。

マエストロ曰く、「まだ、教えられない!!」とのこと。

さすがに、1度目に全工程はムリです。...ハイ...

しかし、初めてにしては見事な完成ぶり☆
(マエストロの助けがあったわけですが)

すっかり製本の魅力にどっぷりハマりました。

⇊ ちょっと渋い色の組み合わせです。マーブル紙も味があるでしょっ(ふふっ)
初めて制作 -Numero 1-_b0193401_13382415.jpg


⇊ こちら本の背表紙。ヨーロッパの古い・アンティークなタイプの本には、このような背表紙のものが多いです。
初めて制作 -Numero 1-_b0193401_13384755.jpg

どのような仕組みになっているか...秘密です。でも、いずれ紹介するかも。

⇊ 表紙の角にも革をはります。補強や長持ちをさせるための意味があります。
物によっては、デザイン的にもあった方が、全体が締る要素もありますね。
初めて制作 -Numero 1-_b0193401_13385797.jpg


この本の中身は、白紙なんです。
制作段階で中を変えれば、様々な用途に使うこと出来るんです。

今後も作品をご紹介していきますね。
# by bella_serenita | 2010-08-02 14:09 | 作品


BOTTEGA CAMPANELLA
こちらのブログで紹介の作品やサイズ・色を変えた製本のオーダーを受け付けています。また、古くなってしまった大切なアルバムや本のカバーを革のカバーに付け替えてみませんか。

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